こっちで暮らしてます。

「こっちで暮らしてます。」は、季節の風景、散歩、写真、食べものを中心に、日々の暮らしを記録するブログです。

紫に香る葛の花と、あの日読んだ物語

あれは9月頭のこと。

散歩の途中、紫色の小さな花を見つけた。

※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。

 

咲き始めで、下の方にぽつぽつ咲いてるだけ。

f:id:zabon-inu:20251004143034j:image

満開は下から上まで全部咲くのかと楽しみにしつつ、散歩をさぼって、二週後。

下の方の花は風に落ち、真ん中らへんが鮮やかに。

f:id:zabon-inu:20251004143037j:image

赤紫から青紫へ変わった花は、地面にたくさん散っていた。

f:id:zabon-inu:20251004143040j:image

この蔓性の花、すごい生命力。

その蔓は、木の上や野原に生い茂っていた。

鮮やかな赤紫に、近づけばふわ~っと香る。

f:id:zabon-inu:20251004143138j:image

ジャスミンほどは強くないけれど、ほんのり甘い匂い。

これ何の花? 調べてみたら、葛の花

 

これがそうだったのか!

と思った瞬間、小説「からくりからくさ」のシーンが鮮やかによみがえった。

蓉子たちが葛の花を摘むあの場面。そして、妖しい甘さ、「官能的でさえある」葛の花のお茶。

 

ああ、こういう瞬間の香りや色って、昔読んだ物語とリンクするんだな。

 

ふと現実に戻ると、下の方の花はもう豆になっていた。

紫の花のひとつひとつが豆になるなんて、ちょっとびっくり。

そして10月に入ったいまは、すっかり豆。

これだけ見てたら、あの鮮やかな色と香りは想像できないな。

f:id:zabon-inu:20251004143134j:image

葛の花に気づいて、好きだった物語を思い出せた秋でした。